おなかが空いた、オムツを変えて欲しいなどの要求を、泣くことでしか伝えられない赤ちゃんが風邪を引いたときはどうすればいい?
赤ちゃんが高熱を出すと、ママはとても心配です。
その泣き方はしんどくて泣いてるの?
鼻水がダラダラでどうしよう?
新生児が風邪を引いたら病院へ行くタイミングは?
風邪の時のお風呂はどうすればいいの?
ママが気になる、新生児の風邪についてご説明します。
目次
新生児は風邪を引くの?
赤ちゃんがおなかの中にいる間、細菌などからは羊水がしっかり守っていました。
その羊水から出た赤ちゃんは、体の作りや器官などすべてが未成熟な状態で生まれてきます。
もちろん、ウイルスに対しても無防備な状態で生まれてくるのです。
つまり、新生児は風邪などのウイルスにとても弱い状態です。
母乳と免疫は密接に関係している
ウイルスに対して無防備だからこそ、その対策を担うのは、赤ちゃんが唯一飲むことができる母乳にあります。
母乳の中でも、初乳と呼ばれる、最初の母乳は無防備な赤ちゃんに免疫力を与えることができる特効薬です。
また母乳には、母親が暮らしている環境に適した免疫効果が含まれます。
その母乳を飲むことで、赤ちゃんは無防備に生まれてきても、環境に負けない免疫力を得ることができるのです。
しかし免疫力には残念ながら、ウイルスに対して絶対の効果はありません。
もちろん、風邪もウイルスが体内に入ると、風邪症状を引き起こすことがあります。
ウイルスが体に入ることで、体は免疫効果のある抗体を増やせますが、新生児は体力がまだないので、風邪などのウイルスには注意が必要です。
「風邪をもらう」は言葉の通り
大人も子どもかかる「風邪」ですが、正確には「風邪」という病気は存在しません。
私たちが気にする熱、鼻水、咳などはウイルスが体に侵入を阻止するために出る防御反応です。
そのため、多少の症状なら、薬などで止めない方が体のためです。
しかし過剰な防御反応は、逆に体の負担となります。
体力を消耗することで抵抗力が落ちて、二次感染を引き起こしかねません。
とくに体力のない赤ちゃんは、軽い風邪症状であっても中耳炎や肺炎といった二次感染を発症しやすいので、注意が必要です。
感染経路は赤ちゃんに接触する全ての人
「そういえば先日会った〇〇さん、くしゃみをしていたな。風邪をもらったかな」
風邪を引いた時、そう感じることはありませんか。
風邪の原因となるウイルスは、ほとんどが飛沫・接触感染によってうつります。
学校などの集団生活で、風邪をはじめとする原因となるウイルスは、咳やクシャミなどによって起こる飛沫感染と、ドアノブなどでウイルスを介してしまう接触感染があります。
赤ちゃんの場合は、外に出かけた家族が、ウイルスを家に運んできます。
特に兄弟がいる場合は、上の子が学校や幼稚園などの集団生活からウイルスを運んでくる可能性は十分にあり得ます。
風邪を引いたら薬は必要?
新生児に市販薬などの安易な使用はオススメできません。
症状や病状によっては、風邪とは違う別の病気の可能性もありますから、素人判断で市販薬などを使うのは避けましょう。
必ず医師の診察を受け、医師が必要と判断した処方薬を飲ませます。
ただし持病があるなど、あらかじめ医師から症状によって薬を飲ませる指示がある場合は、きちんとそれに従ってください。
咳と鼻水の対処方法
咳の場合
短い空咳を繰り返している場合は、それほど心配はありません。
咳が長引く場合は、部屋の乾燥、こまめな換気できれいな空気になるようにしましょう。
家族に喫煙者がいる場合は、なるべく禁煙を、もしくは吸ったら煙などの残留物をしっかり払い落してから部屋に入るようにしてもらいましょう。
鼻水の場合
鼻水は、喉に落ちると炎症の原因となり、発熱の原因となります。
鼻吸い器をこまめに使って、丁寧に鼻水を吸い出してあげましょう。
この方法は幼児になり、自力で鼻をかめるようになるまでは鼻水の対処方法です。
赤ちゃんは泣きわめくかもしれませんが、赤ちゃんの症状を悪化させないため、ママは頑張って続けて行いましょう。
鼻水が粘っこいときは、室内の乾燥が原因ですので、加湿するといいですよ。
これって風邪?赤ちゃんによくある症状とは
鼻詰まりとクシャミが多い
赤ちゃんの鼻の穴は小さく狭いので、ミルクの残留物、ほこり、繊維など、ちょっとしたものでもすぐに詰まります。
詰まっていても、口呼吸を知らないので、頑張って鼻呼吸をするため、とても苦しそうに見えます。
そんなときはクシャミをして、通りをよくしようとします。
鼻詰まりとクシャミは赤ちゃんによくある反応なので、すぐに風邪と焦らなくても大丈夫です。
「発熱」の見分け方
赤ちゃんが熱を出すと、とても悪い病気にかかっているように思え、焦ってしまうママも多いのではないでしょうか。
それが深夜だったり休日の場合、緊急外来にかかるべきなのか、とても迷いますよね。
赤ちゃんには様子をみてもいい「熱」と緊急性の高い「熱」があります。見分けるポイントを紹介します。
様子を見てもいい「熱」
#機嫌がいい
#辛そうにしていない
#母乳やミルクを良く飲む
#着せている洋服や布団を1枚脱がせたら下がる(着せすぎによる籠り熱)
#頬などが火照ったように赤いが、ほかの皮膚の色は普通
様子を見て、必要と判断した場合は、通常の診察時間で受診しましょう。
すぐに病院へかかる「熱」
#生後三カ月以内で、8時間以上の発熱が続いている
#ぐったりしている
#嘔吐を繰り返す
#うとうとしている
#刺激を与えても反応しない
#顔色が悪い(蒼白から灰色になる)
#泣き方が弱々しい
これらの熱は、緊急性があるので、状態によっては様子を見守らず、救急車を呼ぶ必要があります。
病院に行くときの準備
いざ病院に行くと、医師からの問診に精一杯答えている内に、子どもの症状を言い忘れてしまうことも少なくありません。
そんなときは、赤ちゃんの様子をメモして持って行きましょう。
医師が知りたい情報を整理してから行きましょう
#いつから発熱したか、解熱したタイミングなども忘れずに
#咳や鼻水はいつ出る?
#けいれんなどがあるのか
#嘔吐がある時は回数
ママが伝えたい情報は?
#いつもと違う様子をまとめよう
#おしっこやうんちの回数、どのくらい出ていないのかなど
#おっぱいやミルクを飲まない場合は、何時間飲んでいないか
#嘔吐がある場合、どのように吐くのか(噴水のように、ダラダラ吐くなど)
#家族に風邪などの症状がある場合
どんなに小さなことでも、赤ちゃんの変化に気づけるのはママだけです。
気になることは、遠慮せず医師に相談しましょう。
小さな気づきが、風邪以外の怖い病気の早期発見に繋がることもあるのです。
風邪のときのお風呂は?
お風呂(沐浴)は、赤ちゃんにとって、とても体力のいることです。
体力の消耗が激しいときは、無理をしないで、お風呂はやめておきましょう。
熱がなく、普段と変わりがない場合は、湯冷めをしないように注意をしましょう。
家族が気をつけること
赤ちゃんが風邪を引かないためは、家族が風邪を引かないことが最も効果がある対策です。
ウイルスを家に持ち込まないことが、赤ちゃんを風邪から守ります。
そのために必要なのは、帰宅したら手洗い・うがいを徹底しましょう。
また咳やクシャミが出るときは、必ずマスクをします。
地域などで風邪などの症状が流行っているときは、人込みを避けることも大切です。