「バビンスキー反射」と聞いてピンと来る方は、幼児のお子さんをお持ちのお母さん、妊婦さん以外を除いては、そういらっしゃらないのではないでしょうか。
バビンスキー反射とは、赤ちゃんが生まれながらに備え持っている反射(原始反射)のひとつであり、神経系の異常や未発達であるか否かを判定する指針のひとつとして、この反射をフランスの医師ジョセフ・バビンスキーが発見したことからバビンスキー反射と名付けられたのです。
バビンスキー反射がいつ出現、消失するのか。本サイトでは、バビンスキー反射と密接な関係にある錐体路障害について、また、バビンスキー反射が異常であった場合にはどのような対処をとるべきなのかなどについて詳しくご説明致します。
目次
バビンスキー反射の重要性
聞きなれない方は、「バビンスキー反射って言われても・・・蝶々しい、病気なの?」などとおもわれるかもしれませんね。私自身、初めて耳にした時には、眉根を寄せた経験があります。
言語能力が未発達である赤ちゃんは「痛い」「疲れが」「神経系統がおかしい」などと訴えることが当然、出来ませんのでバビンスキー反射(中枢神経の異常を診る)を診て異常を発見する、この検査が幅広く行われているのです。
バビンスキー反射ってどんなことをするの?
お母さん達が気になる検査方法をご説明致します。お母さん自身でも行えます。
バビンスキー反射を診る際には、赤ちゃんが興奮状態でない、リラックスした状態であること、騒音などのない静穏な環境下のもとで行うことが重要です。
まず、赤ちゃんを仰向けに寝かせます。
足の裏が上を向くように寝かしつけ、足の裏を傷つけない、綿棒などを使用し、踵から爪先にむけてゆっくりとこすって上げて下さい。
足の親指が足の甲側にゆっくり曲がる、他の4本の指が外側に開く、扇状にひろがるようであれば、パビンスキー反射が“陽性”と診断されます。
この方法は、中枢神経系、新生児の足が正常に機能しているのか否かの確認を行うものです。
陽性と確認した場合は専門医、診療機関にて診察、検査を受けることをお勧めします。
バビンスキー反射の出現・成熟・消失の時期
・バビンスキー反射の出現時期ですが、およそ在胎12~13週程で認められ、在胎20週頃に成熟するようです。
また、消失時期についてですが、遅くとも2歳頃までに消失するようです。2歳を過ぎても反射がみられるようであれば、医療機関の受診をお勧めします。
バビンスキー反射と錐体路障害の密接な関係
錐体路障害をご存知でしょうか?錐体路障害とは錐体路(大脳皮質から発し、延髄錐体を通過する遠心性神経伝導路。哺乳類における随意運動の主要経路です。)の病変による各種障害を言います。
錐体路は、筋肉の緊張を調整したり、姿勢を調整したりする働きを持っています。錐体路が侵されたり、何らかの異常をきたすと運動機能が正常に機能せず、痙攣性麻痺などが起こる場合がありますので注意が必要です。赤ちゃんにとっては“歩行”に問題がでてくる可能性があります。
個人差がありますが、2歳になれば運動機能、中枢神経が発達すると考えられているため2歳を過ぎても消失しない、バビンスキー反射(病的反射の出現とみなし)が陽性となった場合は、バビンスキーの異常とみなし錐体路障害を疑います。
その他の反射
・バビンスキー反射と似たような反射として、足底反射、足の把握反射があります。
赤ちゃんの足底を押すと、足の指が裏側に丸く曲がる反応のことです。
これは、手の把握反射と同様に哺乳類に備わっている、母親にしがみつくための反応の名残だとされています。
通常10か月頃でなくなるようです。10か月を過ぎても転倒が多くみられるようであれば医師に相談して下さい。
バビンスキー反射・異常があった場合にどうすべきか
バビンスキー異常であった場合には、医師の診察をお勧めします。
受診する科が解らない・・・とお困りの方がいらっしゃることでしょう。
病院、総合病院、専門病院などなど多種、存在します。ひとえに“病院”と言っても様々ですので、総合案内にて赤ちゃんの状態を説明し、受診する科は“どの科”であるのか“指示”を仰ぐことをお勧めします。
陽性を確認してからではなく、日頃から気になることがあれば、メモをとったり、乳幼児健診時などに医師や保健師に相談することも重要だとおもわれます。神経系の病気だけではなく他の病気を寄せ付けない“抑止力”となる可能性もあります。
バビンスキー反射が陽性となっても“100%診断確定”という訳ではありませんので信頼を於ける医師の下、家族全員で見守ってあげることが大切であるとおもわれます。本サイトを最後までご覧いただいた方の幸せを心より祈念しております。