生まれてきた赤ちゃんには丈夫で幸せに成長してほしい!お母さんなら誰でもそんな風に思いますよね。
そんな可愛い赤ちゃんのすこやかな人生を願うためにあるのが、日本に古くから存在する歯固めの儀式であり、歯固めの石です。しかし伝統行事には疑問がつきもの。
石はどこでもらうの?神社?インターネットの通販でも購入できるの?水晶が良いって聞いたけど、どんなパワーストーンがいいの?使い終わった行事の石は元の場所に返した方がいい?などなど。今回はそんな歯固めの石に関する様々な疑問、情報について御紹介します。
歯固めの儀式、石ってなに?
歯固めの儀式はお食い初め(おくいぞめ)という行事の中で行われるものの一つです。
お食い初めとは生後100日~120日頃、赤ちゃんの乳歯が生えてくることにちなんで、「一生食べ物に不自由しませんように」「健康で長生きしますように」との願いをすることです。また、神様に生後100日などの節目を無事むかえられたことを感謝する意味もあります。
この儀式の起源は平安時代からあると言われているのですが、昔は赤ん坊の生存率が非常に低かったので無事に節目をむかえるということが、親御さんにとってはとても大きな出来事であり、喜ばしいことだったのです。
歴史の人物では天皇家や鎌倉幕府を開いたとされる源の頼朝なども赤ん坊の時に歯固めを行ったという記録があるようです。このようにお食い初めと歯固めの儀式は日本に古くから伝わる伝統的な行事なのです。
歯固めの石はこの中の儀式において使われます。昔は歯が丈夫なこと=長生きであると考えられていたので、「石みたいに固い丈夫な歯が生えてくるように」という願いが込められて行われるのです。
齢(よわい)という漢字にも歯が含まれていることからも古来よりこのことが重要視されていた意味が分かりますね。
その歯固めの儀式自体はどんな風なものかというと、まだ固形物が食べられない赤ちゃんにご飯を食べさせる真似をさせるということが行われます。
やり方はそれほど難しくなく神社などで祈祷された石などにお箸の先をちょんちょんとつけてその後、それを赤ちゃんの歯茎に軽く当てるだけです。これなら自宅でも簡単に行うことができますね。
歯固めの石のもらえる所
歯固めの石はどこでもらえるのかというとお宮参りのご祈祷の時に神社から頂けたりするケースもあるようです。
その他には神社の境内に落ちている石を借りる、近くの河原などで気に入った石を拾ってくるなどの方法があるようです。
拾ってくる石に特に決まりはありませんが、丸くてツルツルしていたりと形の良いものがいいとされています。自分のインスピレーションでこれは!と思う石を見つけましょう。
使う石については、1~2個と言われていますが、数についてはそれほど厳密にこだわらなくてもよいようです。色も正式には黒、白、赤とされるようですが、これもそれほど気にする必要はないようです。
また、このケースで使用する歯固めの石はあくまで「神様からお借りしている」物ですのでできれば行事が終わったらきちんと元の場所に返すというのが望ましいようです。
中には記念としてヘソの緒などと一緒に取っておく親御さんもいますが、それはそれで問題はありません。しかしお借りしたままでなんだか気になるという場合は、神社の神様に一言、赤ちゃんの歯固めの石を頂きました、と報告しておくと良いかもしれませんね。
歯固めの石は通販でも購入できる?どんな石がよい?
歯固めの石は最近では通販でも購入できるようです。
種類としては神社であらかじめご祈祷を受けた石などが購入できる場合もありますし、パワーストーンなどを歯固め用としていることもあります。お値段はお手頃な物で500円前後からあるとのこと。
宝石についてはやはり水晶が一番人気のようです。水晶は金運、恋愛、健康などパーフェクトに運勢を良くする石なのだそうです。魔を祓い、運気の浄化効果もあると言われています。他にもピンクで桃の節句などをイメージさせることや、意味が愛情や女性らしさにちなむことから、ローズクオーツというピンクのクリスタルが女の子には使われたり、男の子には行動力や勇気を授けるといった意味でタイガーズアイなどの石を用いたりもするようです。
また、アジアでは古くから強力な力を持つとされたヒスイも中国などでは五徳(仁、義、礼、智、勇)を授け、魔除けであるともされるのでオススメです。これらは神社の境内に持って行ってお手水などでよく洗うとさらに良いとも言われています。パワーストーンについては赤ちゃんの誕生石や一番お願いしたい意味がある宝石が良いかもしれませんね。
石以外でも行われる歯固めの儀式
場合によっては石が手に入らない!購入できない!という場合もあると思います。そんな時は上記の石以外の物でも代用することができるので安心してください。
使用するのはおめでたい意味を持つ食べ物達です。
例えば、お赤飯や鯛の尾頭付きなどの縁起の良い食べ物でも良いですが、他にも固い物の代表格として、タコ、アワビ、栗なども使われます。これらにはそれぞれタコ(多幸)アワビと栗(石と同じく固いので歯が丈夫になる)などの意味があります。それ以外にも梅干し(しわができるまで長生きする)紅白餅(持ちがいい、長持ち)などの食品も使われるそうです。ユニークな物では碁石が使われる場合もあるとか。
もしかしたら、ちょっと変わった歯固めの儀式をした子は個性的な面白い人物に成長するかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?大切な愛らしい赤ちゃんには幸せを願って、ぜひ歯固めの儀式をしてあげたいものです。
神社の石、パワーストーン、食品、いずれの物を使う場合でも愛情を込めてしてあげるのが一番のようです。また、赤ちゃんに歯固めの儀式をする場合には必ず直接品物を口に付けるのではなく箸を当てましょう。これは誤飲などをしないためにも大切なことです。
また、石などを拾ってきた際には必ず熱湯消毒なども済ましておきましょう。安全かつ大きな愛情を込めて赤ちゃんの幸せを願ってあげましょう!