子供の成長を祝う行事として一番良く知られているのは、男の子のお祝いである端午の節句と、女の子のお祝いである桃の節句ではないでしょうか。これらは通常は節句と言いますが、特に生まれて初めて迎える節句は大切な行事であるとされ、初節句と呼ばれます。

初節句では赤ちゃんのお祝いということもあり、いろいろと贈り物を頂くことも多いでしょう。今回はそんな初節句に関することや、知っておきたい内祝いのマナーなどについてまとめました。

初節句とは

子供が生まれて初めて迎える節句の日のことを言います。男の子は5月5日の端午の節句が初節句で、女の子は3月3日の桃の節句です。

どちらの節句も子供の健やかな成長を願うことと、厄除けなどの意味を込めて行います。桃の節句については女の子が良縁の恵まれるようにという願いも込められているようです。

お祝いの仕方としては地方ごとに違いがあり明確な決まりはありませんが、一般的には男の子の端午の節句も女の子の桃の節句もどちらも両祖父母と両親と共に祝善などを囲んで過ごします。

節句の起源

初節句および節句の起源はかなり古いもので、桃の節句のついては紀元300年頃の中国に原型があり、端午の節句については少なくとも日本の奈良時代ぐらいまでは発祥時期をさかのぼれるようです。

節句とはもともと中国から伝わった暦の上での節目の日のことです。桃の節句の原型である行事は上巳節と呼ばれていました。これが遣唐使などによって日本に持ち帰られ、平安時代頃には紙の雛人形で遊ぶ、もしくは邪気払いとしてそれを流すなどの形で行われていましたが、やがて日本独自の節句として変化していきました。

上記のように平安時代に行われていた紙雛遊びなどはやがて桃の節句に繋がり、奈良時代に天皇家のお祝いとして行われた行事は後の端午の節句に繋がったと言われ、武家社会を経て、現在の形となりました。

他にも5月5日の端午の節句、3月3日の桃の節句以外にも、1月7日の人日という七草粥を食べる行事、7月7日の七夕、9月9日の重陽の節句などを含めて五節句と呼びます。

ちなみに行事の日は奇数日のことが多いのですが、これは中国などで奇数は縁起の良い数字であるとされていたからだそうです。

男の子のお祝い端午の節句

5月5日(現在では子供の日)に行われるお祝いです。武者人形や鯉のぼりを飾り、男の子の成長と健康を祝います

武家時代には勇猛さなどを身につけるようにという願いも込めて鎧兜などが飾られたという経緯があるようです。お祝いの仕方については、ちまき、柏餅等を供え、家族で祝膳を囲みます。

男の子の場合は端午の節句の食事にこれといった決まりはなく、子供の好きな食べ物などを出すことが多いようですが、鯛の尾頭つきなどのおめでたい物などが用意されることもあります。

また、武者人形など端午の節句に使われる飾りは基本的には一人に一つずつあるのが良いと言われていますが、二男、三男と続くと難しいものがあるので、長男の時は鎧兜、二男は兜飾り、三男は破魔弓など少しずつ形を変えて行われることがあるようです。

女の子のお祝い桃の節句

次は女の子のお祝いである桃の節句です。これはいわゆる、ひな祭りとして知られている行事でもあります。

桃の節句では雛人形、桃の花、白酒、ひなあられ、菱餅を供えてお祝いします。食事についてはちらし寿司や蛤(はまぐり)のお吸い物など縁起の良い食べ物を出します。

こちらも祖父母や両親とお祝いの食卓を囲むのが習わしです。雛人形も一人につき一体ずつあるのが、望ましいのですが、子供が多いとそうもいきませんので、この場合は、まだ揃っていない人形を増やす、雛人形だけ一体ずつ増やすという方法もあるようです。

ちなみに桃の節句では人形を雨の日に飾ると良縁に恵まれるという風に言われています。また、雛人形はきちんと出さないと女の子がお嫁に行き遅れるという風に言われていますので、できる限り毎年出してあげたいものです。

さらに端午の節句の飾りもそうですが、一夜飾りにするはあまり良くないと言われ、通常は1~2週間は出しておくようです。

また、男の子の節句も女の子の節句もそうですが、赤ちゃんがまだ生まれたばかりでなかなかお祝いできないという場合は、翌年の節句に初節句を祝っても問題ないそうです。

内祝いについて

内祝いとは近年ではお祝い事の際、頂いた品物などに対してお返しをすることとされていますが、本来の意味はお返しではなく、こちら側からお祝いの記念、感謝、もしくは親しい人などに福をおすそ分けするという意味で行うことです。

通常は贈り物を頂いたのにも関わらず内祝いのお返しをしないというのは大変なマナー違反ということになりますが、例外として子供のお祝いである初節句、七五三、入園、入学祝い、父の日、母の日、お中元。お歳暮などはお返しが不要な行事とされています。

しかしいくらお返し不要といってもなんとなくお返しをしないのは申し訳ない気がするものですし、失礼なのではないかと思ってしまうものです。そのような時は上記のような感謝と幸せを分けるという気持ちを込めて内祝いを送ってもよいでしょう。

また、内祝いを送る時期についてですが目安としては1か月以内に贈ることが正しいお返しのマナーのようです。

もし品物が届くのに1か月以上かかってしまう場合は、職場などの人などよく会う人の場合は、先にきちんと口頭でお礼をし、改めてお祝いの品を送らせていただくむねをさりげなく伝えておくとよいでしょう。遅れてしまう場合は最低限お礼だけ先に伝えておくことが礼儀であると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?初節句は子供の始めての節句なので、できればきちんと祝ってあげたいものです。

もし可能なら両方の祖父母にも同席してもらってごちそうや、食事を囲むのもよいでしょう。また、内祝いに関しては送る期間などに気をつけて、感謝と幸福を分けるという意味を込めて周囲の人にお返しするようにしましょう。

子供達だけでなく周りの人も幸せな気分になれるような初節句にすることができればとても嬉しいですね。