「七福神」って、聞いたことありますよね。お正月の縁起物などに描かれることの多い日本の神様七人です。

それぞれにどんな神様か、ご存知でしょうか。

そのうちの一人である布袋様について、今回は紹介します。

布袋様とは

まず、布袋様とはどんな神様かというと、大きな布の袋を背負った男の神様で、中国に実在していた仏僧なのです。

釈契此という名だったそうですが、背負った布袋から「布袋様」と呼ばれていたそうです。

坊主頭で数珠を身につけています。

大きなおなかのふくよかな体型であり、出身地は不明ですが各地を渡り歩いていたそうです。

布袋様は、施しを受けながら転々としていた僧侶だったそうです。

まず、背負った袋ですが、この中には道中に人からもらったものを入れていたとされています。

今では、この袋から出したものを分け与えるとも言われていますね。

他にも、不平不満などをためておく堪忍袋の説もあり、いつもにこにこしている布袋様の笑顔の秘訣であるとも言われています。

金運とあわせて温厚な人格が重視されることがありますが、布袋様はその両方を兼ね備えている神様なのですね。

布袋様のご利益

布袋様のご利益は、金運・夫婦円満・子宝、笑顔の絶えない人生を送れることなどがあります。

特に金運についてはよく知られており、成功者の家に布袋様の置物が飾られていることも多いそうです。

穏やかで前向きな性格になれるというのも、常にそのお手本のような布袋様を見ていれば、自然に温厚になれそうです。

恰幅のいい見た目や満面の笑顔など、姿を見ているだけでご利益にあやかれそうですね。

もちろん、神様に力を借りるには、日頃からの自身の努力の積み重ねも大切になるので、忘れないようにしましょう。

布袋和尚の伝説

布袋様のエピソードをいくつか紹介しましょう。

雪の中で寝てもまったく濡れることがなかったとか、人の吉凶を占ってすべて的中させたなどの逸話もあります。

人間離れした伝説の多さは、信仰となって広がっていきます。

弥勒菩薩の化身であるとも言われており、水墨画にも多く描かれています。

亡くなった後にべつの場所で目撃されるなど、不思議なエピソードもたくさん残っています。

問答や歌も書き残しているそうです。

弥勒菩薩は古くから庶民の間で信仰されており、この世の終わりに現れてみなを救うとされています。

その弥勒菩薩の化身が布袋様であるということで、ますますありがたい存在なのですね。

布袋様・恵比寿様・大黒様の違い

ところで、布袋様と恵比須様と大黒様はどう違うのでしょうか。

一見イメージがよく似ているので混同されることも多いですが、特徴があるので覚えておくとよいでしょう。

福をもたらしてくれる神様であることは同じなのですが、それぞれに違う幸福をつかさどる神様なのです。

まず、布袋様は、紹介してきたように金運の神様です。

また、にこやかな表情で前向きな気持ちを教えてくれる神様でもあります。

中国のお坊さんがモデルといわれていますね。

「エビスビール」などでも名を知られる恵比須様は、商売繁盛の神様です。

鯛を釣り上げた釣竿を持っており、海の幸を表わす漁業の神でもあるとされます。

恵比須様は古事記のイザナミ・イザナギの子であるとされる日本の神様で、網でなく釣竿を持つ姿は、欲張らないことの象徴でもあります。

恵比須祭りが行われる地方も多く、庶民に親しまれている神様ですね。

また、大黒様は福の神様・農業や商売の神様で、願いが叶う打ち出の小槌を持っています。

ヒンドゥー教のマハーカラーという戦いの神が最初の姿でしたが、時を経て今の大黒様になりました。

米俵に乗った姿で描かれることが多いです。

日本では大国主命ともあわさって、今の大黒様になっていったと考えられています。

商店の看板に描かれることも多く、日本人の暮らしに馴染んでいますね。

恵比須様と大黒様はよくいっしょに祀られていますね。

経緯ははっきりしないものの、ともに商売の神様として、商人の家に祀られることが多かったようです。

御三方とも金運や商売に関する神様でありますが、細かな違いを覚えておくと、七福神の図を見たときでもすぐ見分けられますよ。

持ち物の違い、それぞれのルーツを知っておくとよいですね。

布袋様の祀り方

布袋様の祀り方ですが、ご家庭に置物がある場合の置き方を紹介します。

できれば、玄関に置くようにすると災いが入ってくるのを防いでくれるでしょう。

ドアのほうへ向けて置くとよいですね。

清潔な場所にお祀りし、埃がたまらないよう注意しましょう。

置物を置く際は、飾ってそのままにせず、出入りするときに神様に感謝するのを忘れないようにしましょう。

まとめ

布袋様が金運をはじめ夫婦円満など多くのご利益をもたらしてくれる神様であることが分かりましたね。

中国の僧侶がモデルだったとは意外かもしれません。

何気なく見ていることが多い七福神ですが、背景を知って飾るとより幸福が増すかもしれませんね。