一昔前の時代には子供は小さい頃から厳しくしつけるべきだという意見もありました。
確かに時にはそのように叱ることも必要でしょう。
しかしその一方で愛情を込めて抱きしめてあげることは子供にとって想像以上に良い効果があることが、近年明らかになっています。
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子供の心の形成や人格に大きく影響を与えるオキシトシン
ではなぜ子供に対して愛情のたっぷりこもったスキンシップをしてあげることが重要なのでしょうか。
これは単に可愛がってもらっていない子は可哀そうなどの理由だけではなく科学的に見ても子供の成長に良い影響を与える行為だからです。
オキシトシンとは脳から分泌されるホルモンであり、幸せホルモン、愛情ホルモンなどとも呼ばれます。
このオキシトシンは母親と赤ちゃんのふれあいなどにより分泌されるもので、母親の母乳の出なども促進してくれるものです。
他にも人間同士の触れ合い全般においても分泌されていると言われ、マッサージやリフレクソリジーなどの施術や、ペットをなでること、家族団らん、井戸端会議、居酒屋での交流などなど、身体的なふれあいだけでなく、精神的繋がりによっても分泌されることが明らかになっています。
この愛情ホルモンであるオキシトシンは幼少期により強く影響すると言われ、ただこのスキンシップがあるかないかということだけで、その後の子供の人格にも影響を及ぼすと言われています。
つまり愛情たっぷりのスキンシップの特徴を一言で言えば、情緒豊かで優しく、健全に人との繋がりを作っていける人格を形成するのに役立つということなのです。
オキシトシンが正常に分泌されている場合とそうでない場合
人格の形成は幼少期の出来事が大きく影響しており、心理学などでは0歳~3歳、また6歳までの親子関係が非常に重要であるとしています。
この時期に親が抱きしめる、優しく言葉をかけるなど子供との間にオキシトシンが分泌されやすいような関係を形成していると、子供は親を通して人というものを信頼することができるようになります。
そのことはいずれ子供達が出ていくことになる学校や社会で必要な周囲の人間との関係を築く上での基盤となります。
また、心が幼少期に安定することは様々な良い効果があるとされ、IQの向上、ストレス耐性なども含めた脳の発達を促します。感情面でも想像力や思いやりを育てる効果が期待できます。
逆に幼少期の愛情不足などでオキシトシンが足りないとどのような症状が表われるのでしょうか。
オキシトシンが正常に分泌されていることは、親との信頼関係が結べているということになります。
親というのは子供にとって最初に接する人間ですから、それを信じることができるか否かというのは、周囲の人を後々、信頼できるかどうかということにも繋がってくるのです。
これは非常に重要なことで人生においての様々な場面、学校や社会にうまく適応できるかということにも関わってきます。
他にも身近な友人を信用できるか、恋人を信用できるか、そして自分自身の存在を肯定できるかということにも繋がっているのです。
親から愛情を受けることで子供は自分の存在に安心感を持ち、それが自信になっていくからです。
あまり甘やかすと親離れ、自立ができないのでは
これは愛情をかけてあげたい反面、誰もが心配することですが、幼少期や子供の頃は甘やかし過ぎなどを心配するよりもまず、愛情を持ってスキンシップしてあげることが一番に優先されます。
この時期にこのような愛情が不足していると、どんなに厳しくしても結局子供は自分の存在に自身が持てず、外の世界に踏み出すことが怖くなってしまうからです。
お父さんのスキンシップにも良い効果が
母親だけでなくお父さんの子供に対するスキンシップ効果にも興味深いものがあります。
例えばこれはお子さんが娘さんの場合のみですが、幼少期に父親が愛情のこもったスキンシップをすることで、将来成長した時に近づいてくる男性が本当に愛情を持っているのか見極める能力が育つと言われているのです。
ちなみにスキンシップの時間についてですがオキシトシンは約5分~10分くらいのスキンシップで分泌され、後はしばらく出続けるそうです。
ともかくお子さんとはまめに抱っこしたり声をかけたりするようにすることが今後の成長においても非常に重要なことなのです。
まとめ
いかがでしたか?最近では子育て中にスマホなどを見ているお母さんも多くなりました。
最近の時代傾向もあり仕方がない面もあるとはいえ、時にはそのような端末機器を手から離してお子さんとのスキンシップをたっぷりしたり、呼びかけに答えてあげてくださいね。