初めての育児で、ママが最初にハードルを感じるのは離乳食ではないでしょうか。

ミルクタイムやオムツ替えのタイミングなどにもようやく慣れてきた頃に、また新たな仕事が増えますね。

今回は離乳食の進め方についてお話しします。

離乳食とは?

ミルクだけを飲んでいた赤ちゃんが、だんだん「噛む」「食べる」ということを覚え、食事ができるようになるまでの過程を「離乳」といい、その間に食べる食事を「離乳食」といいます。

まだ歯が生えそろっていない時期から練習を始めていきますので、口の中に入れて飲み込めるような状態のものから始め、少しずつ噛めるような硬さにしていきます。

<食事のリズムも作る>

離乳食は月齢に応じた硬さに変化させていくことももちろん大事ですが、家族みんなと同じように、1日3回の食事というリズムを作っていくことも大切なことです。

<食べる楽しさを知るための過程>

離乳食を始めると、作ったものを全部食べてくれなかったとか、遊んでしまって食べられなかった、というような離乳食期ならではの子育ての悩みが出て来ます。

でも、それも赤ちゃんにとっては大事な成長の過程。うちの子は食べる量が少ないんじゃないか?と他の子と比べたくなってしまいますが、そこは焦らないこと。

食事の量などにこだわりすぎずに、みんなで食事をする楽しさ、食べるということの楽しみを教えてあげてください。

離乳食はいつから始めればいい?

離乳食を始める時期を見極めるポイントがあります。

首がちゃんとすわっていて、支えてあげれば座ることが出来る(この時点では腰がすわっていないので、一人で座るのは難しいです)
親が食べているものに興味を示す
よだれが増えてきた
スプーンなど、哺乳瓶以外のものを口に入れても舌で押し出すことが少なくなった
授乳の間隔が一定になってきた

このようなことを目安に、生後5~6ヶ月から離乳食を始めます。

<離乳食の準備期間>

以前は離乳食の準備として、生後2ヶ月くらいから果汁や味噌汁の上澄みなどをあげると良いとされていました。

現在ではあまり必要ないとされています。

離乳の開始前に果汁を与えることについては、果汁の摂取によって、乳汁の摂取量が減少すること、たんぱく質、脂質、ビタミン類や鉄、カルシウム、亜鉛などのミネラル類の摂取量低下が危惧されること、また乳児期以降における果汁の過剰摂取傾向と低栄養や発育障害との菅玲奈報告されており、栄養学的な意義は認められていない。また、咀しゃく機能の発達の観点からも、通常生後5~7か月頃にかけて哺乳反射が減弱・消失していく過程でスプーンが口に入ることも受け入れられていくので、スプーン等の使用は離乳の開始以降でよい。

引用元:厚生労働省資料 P41 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17c.pdf

昔は離乳食を始める前からスプーンを口に入れる練習をした方がいいなんていわれていましたが、それすらも必要ないということですね。

<離乳食初期の進め方>

初めは1日1回からスタート。この時期はたくさん食べることが目的ではなく、あくまでもミルク以外の味になれていくこと。ですから、母乳やミルクは好きなだけ与えます。授乳の後ではお腹がすいていませんし、お腹が空きすぎていても機嫌が悪くなってしまうので、授乳1~2時間後に赤ちゃんの様子を見ながら始めます。

時間帯はお昼がいいでしょう。朝は時間がないのと、夜食事をした後に体調が悪くなってしまった場合に病院があいていないこともあるからです。

<最初はお粥から>

離乳食初期は10倍粥から始めます。お米と水が1:10のサラサラしたお粥をすりつぶして、なめらかにします。

初めての時は口から出してしまうこともありますが、1さじきっちり食べないといけない、というものではないので、赤ちゃんペースに合わせて進めていきましょう。

1日目は1さじ、次の日は2さじと段々増やしていき、1週間くらいはお粥のみにします。

<野菜やたんぱく質も追加>

お粥に慣れてきたら、次は野菜をプラスしていきます。最初から色々混ぜないで、人参、かぼちゃなど自然な甘味のある野菜を1種類ずつから。

この時期は口当たりが大事です。美味しくないというよりは食感が良くないと、それだけで吐き出してしまう赤ちゃんもいるので、とにかくなめらかになるようにすりつぶしたり、裏ごしすると食べやすくなるでしょう。

野菜に慣れてきたら豆腐や白身魚などのたんぱく質も加えていきます。これも食べやすいようにしっかりとつぶしてあげてください。

<離乳食初期の量は?>

目安としては、おかゆとおかず、それぞれ5~6さじ分くらい食べられれば十分です。

ただしこの時期は食事に慣れることが目的ですから、この量を食べないからといってあまり気にしないでください。

2回食へ移行する時期

1日1回のリズムに慣れてきたら、7~8か月頃から2回食にしていきましょう。この時期もあくまで目安であって、これより遅くなったからといって順調に成長していれば何ら問題はありません。この時期も、食事の後は母乳やミルクをあげます。

基本的には午前と午後の1回ずつを離乳食の時間にします。食事の間は3~4時間くらいあけるようにしてください。

<舌でつぶせる固さ>

おかゆは全粥になります。お米に対して水が5倍です。この時期になると食べる量も少し増えてくるので、時間のある時にまとめて作って冷凍しておくと便利です。

1回食の時のように完全にすりつぶす必要はなく、多少粒が残っていてもOK。ただし、舌でつぶせる程度まで柔らかく煮てください。

<卵や野菜も>

卵はアレルギーがなければこの時期から始めていきます。最初は卵黄だけ、徐々に全卵を使うようにします。

野菜などもただのすりつぶしから、お出汁などを使って煮てあげると味のバリエーションも増えてきますよ。

具体的なレシピはこちら→離乳食初期におすすめ!冷凍もできる5つのレシピ

3回食へ移行する時期

いよいよ離乳食も完成形に近づいてきました。ミルクが主食だった赤ちゃんも、大人と同じように食事を「食べる」ようになります。

2回食が順調に進んでいて、月齢が9~11か月くらいになったら3回食に進めてみましょう。ただしこれも個人差があります。9か月で3回食になる子もいれば、11か月になってようやく回数が増える子もいますから、その子のペースに合わせて進めるようにしてください。

<歯茎でつぶせる固さに>

舌でつぶすことが上手になったら、今度は歯茎でつぶせる程度の固さにしていきます。目安はバナナの固さです。ごはんも全粥から徐々に軟飯も食べられるようになってきます。

煮物などは大人のごはんから取り分けて上げることも出来るので、離乳食作りも楽になってきますよ。お肉や魚、卵、野菜など様々な食材を組み合わせるようにして、色々な食材に挑戦してください。塩や醤油など、多少の味付けもOKです。

離乳の完了

1歳を過ぎて、3回食も無理なく進められていたら、ようやく大人と同じようなものが食べられるようになってきます。

とはいっても全く同じようなものは食べられないので、歯茎で噛めるくらいの固さにし、薄味を心がけてください。

まとめ

しばらくは子どもの分だけ別に作らないといけなかったり、思ったように食べてくれないなど、ストレスが溜まることもあるでしょう。

でも、食べる量や食事の好みは個人差が大きいものです。多少嫌いなものや食べられないものがあっても焦らずに進めていきましょう。大きくなるにつれて、また味覚も変わっていきます。

それに、長い人生の中で見れば、離乳食を食べている期間なんてあっという間に過ぎ去ってしまいます。今しかない貴重な時間だと思って、赤ちゃんとの離乳食タイムを楽しみながら過ごして欲しいと思います。