地球温暖化の影響で気候が乱れ、季節の変わり目が実感しにくくなっているとはいえ、日本伝統の四季の行事は受け継がれています。
古くからの日本の習慣に基づいて決められた日も多いので、知っておくといいですね。
今回は、お彼岸のうちの一日であり、祝日でもある秋分の日について、その意味やちなんだ食べ物を紹介します。
2018年の秋分の日
まず、2018年の秋分の日を確認します。
2018年は、9月23日が秋分の日となります。
毎年変わるので、カレンダーで確認してみましょう。
秋分の日の由来
秋分の日は、その名のとおり「秋分」に当たる日です。
秋分とは、一年を二十四に分けた二十四節気のうちの一つのことです。
秋分の日には、昼と夜の長さがほぼ同じになります(正確には、毎年昼のほうが十数分長い)。
太陽が、秋分点(天の赤道と黄道の交差部分)を通過する日を秋分の日としているのです。
1948年に「秋分の日」として制定されましたが、それまで(1878~1947年)は「秋季皇霊祭」と呼ばれていました。
「先祖をうやまい、亡くなった方を偲ぶ」日として、神道とも深いつながりのある行事です。
宮中祭祀の「皇霊祭」とも関係しています。
収穫の時期なので、五穀豊穣を祈願する日でもあるようです。
秋分の日の決め方
秋分の日は9月23日であることがほとんどですが、まれに9月22日になることもあります。
うるう年の年は9月22日になるのですね。
2044年まではこの考え方で秋分の日が推測できると言われています。
秋分の日は国立天文台の計算によって決められますが、近い年のものまでしか決まっていません。
毎年2月に、翌年の春分の日と秋分の日が決定されます。
地球の自転や月の引力も関係しているので、ずっと先のぶんまでは決められないのです。
計算によって、秋分点を太陽が通過する瞬間がずれてしまうため、日にちが変わってしまうのですね。
秋分の日の食べ物
秋分の日といえば、おはぎやぼたもちを連想する人も多いでしょう。
この時期、スーパーに行くとたくさん並んでいますよね。
ところで、おはぎとぼたもちって似ているようですがどこが違うのでしょうか。
実はおはぎもぼたもちも、名前が異なるだけで同じ食べ物のことなのです。
漢字で書くと「御萩」「牡丹餅」となることから、季節の花に見立てていることが分かります。
風流ですね。なので、春分の日に食べるのはぼたもち、秋分の日にいただくのはおはぎと覚えておくとよいでしょう。
ご先祖様の供養となるおはぎゃぼたもちですが、小豆が邪気を払って悪いものから守ってくれると言われています。
秋分の日とお彼岸の関係
秋分の日の前後はお彼岸と呼ばれていますが、そもそもお彼岸とは何でしょうか。
仏教の教えで、悟りを開いてたどり着く極楽浄土を「彼岸」と呼びます。
秋分の日は、私たちのいる此岸と彼岸が近づくと考えられていて、多くの人が祖先の供養にお墓参りに行きます。
秋分の日は「彼岸の中日」とも呼ばれていて、秋分の日を真ん中にした七日間が「お彼岸」に当たります。
彼岸の入りから彼岸の明けまで、先祖を偲び、亡くなった方に感謝して過ごしましょう。
太陽が真東から昇り、真西へ沈む秋分の日は、極楽浄土のある西の方角が分かりやすいので、ご先祖に想いが届くようにと、供養にふさわしい日とされているのですね。
秋分の日はなぜ祝日か
ところで、秋分の日は祝日ですが、それはなぜでしょう。
秋分の日は戦前から祝日だったのですが、以前は「秋季皇霊祭」という名の、宮中祭祀にちなんだ祝日でした。
先祖供養の日であったのも昔から変わりませんが、1948年に国民の祝日として制定され、「秋分の日」という名前になったのです。
今は、シルバーウィークと関連して大型連休になることもあるため、秋の祝日としてよく知られていますね。
行楽も多い秋ですが、ご先祖を供養して静かに過ごすのもよいでしょう。
まとめ
秋分の日についてまとめてみましたが、いかがでしょうか。改めて日本の行事や風習について考えるきっかけになればさいわいです。
・秋分の日、2018年は9月23日
・秋分の日に食べるのは「おはぎ」(御萩と書く)
・秋分の日は「彼岸の中日」であり、前後合わせて7日間がお彼岸
・お墓参りなど、先祖供養をして過ごす日でもある
・秋分の日は太陽が秋分点を通過する日
・昼と夜の長さがほぼ同じになる
以上のようなことを知っておくと、子どもに訊かれたりしたときも答えられますね。
昔から受け継がれてきた日本の伝統を大切に守り、次の世代にも伝えていくことが、何よりご先祖様の供養につながるかもしれません。