南京虫って、聞いたことがありますか? 昔の小説などに登場していることはありますが、実際に馴染みがある人は少ないかもしれません。
しかし、まだまだ身近なところにいる虫なので、今回は南京虫の見つけ方を紹介します。
トコジラミ(南京虫)の見つけ方
まず、南京虫は別名・トコジラミといいます。シラミの一種です。
夜行性で、深夜、人間が寝静まってから行動するといわれています。
南京虫は5~7ミリと、よく見れば肉眼で発見できるサイズですが、ぜったいに遭遇したくない虫ですね。
平たい身体で、褐色をしています。血を吸うと色が濃くなるようです。
昔は日本にもノミやシラミの類が多くいたのですが、公衆衛生の発達によって、現代ではほとんど家庭で見かけることはなくなっています。
そんな南京虫を見つけようと思ったら、まずは寝具や畳の隙間、古い本の間など湿った暗い場所を中心にくまなくチェックしてください。
虫本体以外にも、濃い褐色の点のような糞が落ちていることもあるので、見慣れない点々があるのを見つけたら、南京虫の存在を疑ってください。
トコジラミ(南京虫)の発生原因
南京虫は、日本にはほとんどいなくなっているのですが、外国から持ち込まれることがあるようです。
旅館やホテルなどの宿泊施設に海外からの観光客の荷物などについて持ち込まれ、それが日本人の家庭にも持ち帰られることがあるそうです。
旅行の際は防虫剤を持っていき、寝るときのベッド下や荷物、着替えの中に入れておきましょう。
寝る前にはベッドをチェックして、寝ている間に血を吸われないようにしたいですね。
また、南京虫は湿気の多い不潔な場所に繁殖します。
頻繁に換気して拭き掃除し、掃除機をかけて繁殖を防ぎましょう。
古い家具などを中古で購入する際も無視が付いていないかチェックが重要です。
トコジラミ(南京虫)の被害と症状
南京虫の糞を見つけたら、すでに住み着かれている可能性が高いでしょう。
南京虫の糞は小さな黒ごまか消しゴムのカスの黒い部分のようで、一見してすぐ「糞だ」と気づきにくいかもしれません。
トコジラミはゴキブリのように、狭く暗く温かい場所が好きで潜んでいるそうです。
ベッドの隙間やカーペットの裏などに入りこんで、人間の血を吸う害虫です。
刺されると猛烈なかゆみが続き、かかずにはいられなくなります。
南京虫は、血を吸うときに蚊のように唾液を注入するので、刺されるとアレルギー反応が起こってかゆくなるのです。
しかも、一晩で何度も刺したり、身体中のあちこちを刺したりするので、ベッドの中にいたらたまりませんよね。
しかも1週間から2カ月くらいかゆいことがあるので、ひどいときは病院を受診する必要があります。
皮膚科では、かゆみの度合いによってはステロイドで治療することもあるようです。
傷口も跡が残ることがあり、場合によっては発熱やじんましんも出るそう。
おかしいなと思ったら早めにお医者さんにかかりましょう。
トコジラミ(南京虫)の天敵
トコジラミは、クモが苦手なのだそうです。
しかし苦手とする種のクモは、日本には存在しないそうです。
他には、ゴキブリが天敵だそう。しかし、人間にとってはゴキブリもいやなものなので、どちらも室内には入れたくないですよね。
また、熱に弱いので寝具は熱湯につけたり乾燥機でしっかり乾かすなどして、熱で死滅させましょう。
殺虫剤も有効ですが、恐ろしいことに、南京虫は近年、薬剤耐性を持って「スーパートコジラミ」に進化しつつあるそうです。
トコジラミ(南京虫)の予防対策
南京虫の発生予防には、ダニと同じように布団の日光消毒があります。
それから、「バルサンまちぶせスプレー」を使えば、薬剤耐性のあるスーパートコジラミにも効果があるといわれています。
通常の燻煙タイプのバルサンも効き目があり、たくさんいる場合は一度部屋ごと殺虫したほうがいいでしょう。
また、南京虫は他の多くの虫と同じく、ミントやハッカの匂いに寄りつきません。
これらの香りのアロマを使えば、人間には害なく虫をよけられます。
南京虫の嫌いなにおいは主に、シトロネラやゼラニウム、ペパーミントなどです。
精油+無水エタノールで簡単に防虫用のスプレーが作れるのですが、噴霧の際は家具を傷めないよう注意してください。
まとめ
日本国内ではめったに遭遇することはないですが、知らずにいると恐ろしい南京虫。
海外旅行の際などはくれぐれも、ベッドなどで寝ているときに刺されないように気をつけてください。
繁殖力が強いので、一部屋に無数にいることもあり、ホテルなどではヘタに駆除しようとするより部屋を変えてもらうか、業者に相談したほうが得策かもしれません。
かまれたらひどくかゆいので、かきむしらずに皮膚科を受診しましょう。
旅行先からの荷物は部屋に入れる前に確認しましょう。
日光・熱湯・ミントやハッカ、バルサンが有効な対策法です。
清潔な環境を保って、南京虫に住み着かれてしまわないよう気をつけましょう。